<バルセロナ取材を終えて>
J-sportsにて同シリーズの実況を担当させていただいてから3年目になります。
その間何度かエアロバティクスのイベントのMCも経験しましたがやはりレースは迫力と緊張感が違いますね。
低空飛行でパイロンすれすれをアタックしたり上昇し360℃回るハーフキューバーンなどを間近で見るととても人間業とは思えない超越した空間があります。
しかしいかにプロの彼らでも本番ではコントロールを失い思うようにタイムが伸びずに苦戦するわけですがここには”神と人間”との葛藤があるわけです。
ピットにいってみるとそこはF1のようにクルーたちがマシンを常に手入れし練習でのVTRを見ながら戦術を練っています。
各ピットには色鮮やかなペインティングのマシンが置かれさながら大きなおもちゃ館のような感じですが、予選に向けてテイクオフする緊張感とのマインドの強弱が交差する場所でもあります。
(会場まで20kmのところにピット、空港があります)
予選終了時にはメディア、一般のピットウォーク などのサービスもありパイロットは結構大忙しで立ち回っています。
レースの日程は木、金が練習。土曜日から予選日曜日が本選です。
今回は我が日本のルーキー室屋義秀選手の調子が良く予選でスタートゲート接触で6秒のペナルティを喫しますがワイルドカードで過去2回のチャンピオン、マイク・マンゴールドら強豪相手に見事2枠に残りTOP12。
迎えた最終日もペナルテイなくフライトし結果6位という自身最高の結果でシーズンを終えました。
「予選は気負っていましたがタイム、コンディションが良かったので思い切り攻めました。来年につながる結果を残しホッとしてます」と語る室屋にはもうルーキーとしての迷いは無い。
来シーズンは上位を常に狙えると確信しまた。この後彼はエアーショーなどのイベントをこなした後にニュージーランド(クルーのロバート氏の家)で練習に入ります。
<バロセロナの会場には連日多数の観客が押し寄せ最終日は100万人を突破した!!!>
92年のオリンピック会場だったことからオリンピック港と命名されている会場はまさに人、人、人。
エアーレースが始まる2時間前には旅客機やクラシック戦闘機、ヘリ等のエアーショーがあり会場は大盛り上がり。
バルセロナも含め世界の各会場ではこうした催しが必ず行われるそうでこの日は飛行機一色となるわけですが空を飛ぶ各マシンは華麗の一言。
しばし現実を忘れさせるその雰囲気が多くの動員を生むんでしょうね?
とりわけ子供たちの喜びようといったら凄く、食い入るように見てはしゃいでいる姿が微笑ましい。
<ハンネスの失敗>
昨年度のシリーズチャンピオンのハンネス・アルヒは極秘で来シーズンで使用するエンジンで予選に望み好タイムをマークしましたがテクニカル・ディレクターがエンジンを調査した結果規格外と判明し急遽従来のエンジンを取り寄せるというハプニングがありました。
しかしさすがはアルヒ。エンジンを戻しても予選は好調でトップで通過し早々に1ポイントを獲得。
シリーズチャンピオン暫定1位のポール・ボノムとの差を3ポイントに縮める。
SUPER8ではではボノム先にノーミスで飛びアルヒはそのプレッシャーやエンジンでの一件がよぎったのかタイムが伸びず、それでも何とかファイナル4へ進出。
ポイント3のチャンピオン争いはアルヒが優勝しボノムが3位以下になることでしたが、ボノムはナイジェル、ドルダラーを抑え2位以上を確定させある日のフライトを待たずチャンピンが決定。
最後アルヒはペナルティを課せられるなど同様を隠し切れませんでした。
ピットであったボノムはこれまで映像では見たことの無いほど穏やかで陽気にさえ見えるほどリラックスしていました。
『音楽を奏でるかのようにフライトしたい」とボノム。
参戦5年目、これまで年間2位に甘んじ昨年は2年目のアルヒにまんまとチャンピオンの座を奪われたていた彼がこの最終戦一番のプレッシャーはあったわけですが、ピットで見せたように常に自分をリラックスさせることに勤めたその冷静さが今回の勝因でしょう。
僕が放送で付けたニックネーム”空飛ぶジェントルマン”イギリスのボノムはやはり紳士だったのです。
なお、この模様は近日J-sportsにて放送予定
ボノムと
室屋がんばれ!